私は長い間、独り身の方がラクでいいやという考えでした。
時間を拘束されるというのが堪らなくイヤだったんですよね。
好きなときに寝て好きなときに起きて、好きなときにメシを食って映画を見に行ったり買い物に行ったり。
私の場合、優柔不断ということもあって買い物には結構時間が掛かってしまうので誰かと一緒に行くということはありません。
あったとしても、それはその人の買い物に付き合ってあげるというだけで自分の買い物はあくまで一人でした。
だってラクだから。

その考えはずっと正しいと思っていたのですが、ある出来事から180度転換したのです。
それはある女性との出会いからでした。
実は『出会いがない』ということの言い訳として『独り身の方がラク』と無意識のうちに自分に言い聞かせていたんだと気付きました。
その女性は出会い系サイトで知り合ったのですが、最初はホントに暇つぶしのつもりで始めてたんです。
愚痴を聞いてくれる人はいないかな、とかそんな軽い気持ちでした。
彼女とメールをしていると楽しさというのと同時に今一人でいることが寂しいことなんだと実感してきました。
別に彼女がそういうことを示唆したわけではありません。女の子とメールをしているけど、会ったこともない人なので現実感がない代わりに妄想だけは膨らんでいくんです。
恋人ができたらどうなるんだろうとかそういう妄想です。

気がつくと私は彼女に「一人はもうイヤだ!」とメールを打っていたのです。
本音をメールで言ってしまったのです。慌てて取り繕うと思って文章を考えていたのですが、彼女から「じゃ、会おうよ」とメールが来ました。
そうして私たちは付き合うことになりました。
ちょっとした遊びにつもりで始めたことでしたが、まさかこんな関係になるとは思ってもいませんでした。
思い切りというのは時には必要になってきますね、それがよく分かった事件でした。